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お寺の蟇股の製作

新築のお寺のために蟇股(かえるまた)という部材を作りました。

使用した木材は割れ目の入ったヒノキ材で、サイズは凡そ1200×300×210です。

最初は簡単なスケッチを渡され、そこから新たなイラストを提案し、お客様と蟇股のイメージを固めていきました。モチーフはツバメ2羽とツバメの巣。

2次元のイメージが固まったところで、パソコンで3次元のデータを作り始めました。

今回、製作に初めて取り入れたのはZbrushというソフトウェアです。

Zbrushはデジタルスカルプトアプリケーションと言って、パソコン上で粘土のようなものを加工して、3Dのデジタル彫刻が出来るものです。

通常のCADソフトより自由度が高くて、有機的・生物的な形に向いています。反面、細かいサイズの指定は難しいです。

Zbrushはキャラクターなどを作るために映像やゲーム業界で良く使わていれるようですが、その3Dデータを適切なファイル形式に書き出して、他のソフトで処理すれば、3DプリンターやCNC機械を動かすことも出来るので、木材のデジタル彫刻が出来るわけです。

というわけで、ツバメの3Dデータをプログラムに変換して、CNC機械で木材の加工を始めます。

まずは大き目の刃物で荒加工をします。

次は先が3mmの刃物で中間加工をします。

そして次に先が0.5mmのビットで、0.15mm間隔で仕上げ加工をします。

0.15mm間隔の加工ですと、3Dデータの再現度がかなり高いのですが、反面、大きいサイズの加工ですと、加工時間が何十時間とかすごく長いです。

そのため、彫刻の部分によって、機械加工の設定を変えています。

今回は2羽のツバメと巣の部分に対して一番細かい設定で加工して、残りは中間加工+手加工で対応しました。

この蟇股は両面がツバメの彫刻となっていますので、上面の機械加工が終わった段階で、ツバメの羽の下などの不要な部分をバンドソーで切り落としてから、再度CNC機械に固定して、裏面の彫刻加工を行います。

裏面の荒加工が終わった段階。

そして、中間加工と仕上げ加工が終わった段階。

そこから色んなところを手加工で仕上げしていきます。

木材の割れ目を埋める作業もします。

そして羽の部分の切り離し加工をします。

ツバメの蟇股の完成です。

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