日本産杉材とCNC加工で挑戦した木製風力発電機の試作製作プロジェクト
- ロア ウィリアム
- 5月26日
- 読了時間: 3分

私たちは、日本の豊富な木材資源、CNCルーター加工技術、そして3Dデータ設計を組み合わせ、大型木製部材を使った縦型風力発電機の試作に取り組みました。
CNC技術による高精度な加工と多様な形状づくりを生かし、木材の新たな可能性を探っています。

再生可能エネルギーやカーボンニュートラルの重要性が高まる中で、木材の再利用や資源循環は環境保全に大きく貢献します。木は二酸化炭素を固定し、地域資源としても注目されています。

今回のプロジェクトは、こうした木材の利点を活かした一つの提案であり、木材利用の幅を広げるきっかけにしたいと考えました。

これまで風力発電機のブレードや構造部材には主に金属や樹脂が使われてきました。しかし、製造コストや廃棄時の環境負荷、さらに材料を海外から輸入する際のコストも課題となっています。その点、木材は再利用しやすく、修理や部分的な交換もしやすい素材です。
また、木材であれば原材料を国内で調達でき、製造も日本国内で完結できるため、地域資源の活用や地産地消にもつながります。
防腐や防水などの処理が必要ですが、今後はより環境負荷の少ない木材処理技術の進歩も期待できます。

海外では既に大型木製風力発電機の事例が増えてきています。日本でも国内木材を活用した新たな風力発電機の普及が期待されています。
今回の試作モデルは、支柱が4.5m、ブレードが1.8mという大きさです。

縦型風力発電機は横型に比べて発電効率がやや劣るものの、風向きを選ばずに回転でき、都市部や限られたスペースへの設置もしやすい特徴があります。
また、騒音や振動が少なく、周囲の環境への影響も抑えられます。

木材とCNC加工技術の組み合わせは、エネルギー分野だけでなく、建築や特殊部品の製造にも応用が期待できます。

3Dプリンターで製作した小型模型は風で回転しましたが、実物大モデルは期待した回転までは到達しませんでした。実用化には、さらなる改良・検証に加え、投資も求められます。
日本の豊かな木材資源を活用し、より環境にやさしいものづくりに挑戦することで、持続可能な社会の実現に一歩近づくことができるはずです。
🎥 プロジェクト全体紹介【YouTube動画】
⏩ ダイジェスト版ショート動画【YouTube Shorts】
未来のものづくりに新たな可能性と、
より環境に配慮した選択肢をもたらすきっかけになれば幸いです。










